聖書の学び資料
主の祈り
ルカによる福音 11章、知恵の書11章
今回のテーマは「祈り」です。私たちは普段、どのような祈りをしているでしょうか。旧約聖書の知恵の書を読むと、神様が私たちの存在そのものをどれほど大切にしてくださっているのか、ひしひしと伝わってくるでしょう。これほどまでに神様が私たちのことを大切にしていてくださっているのを念頭に置いて、「主の祈り」について考えると、神様への親しみと神様の私たちへの配慮を感じないでしょうか。私たちが存在しているのは、神様に愛されている証拠なのです。しかも、神様は私たちに「求めなさい」と言われます。私たちが心から祈ることを、神様は望んでおられるのです。
「主の祈り」は、最初から最後まで神様に何かを願っています。祈りには感謝や賛美などいろいろありますが、あえて「願い」のみで構成されている祈りなのです。「御名が崇められますように」私たち皆が、神様を賛美しますように。「御国が来ますように」私たち皆が、神様の望みに従って生きますように。そして後半は、私たちが幸せに生きられるようにしてくださいと願っています。「糧」とは、生きるために必要なものです。しかし、生きるには食べ物だけではありません。着る物も住む場所も、さらには生きがいや愛情も必要です。それらの生きるために必要な事柄を、日々お与えください。これは、明日のことを思い悩むのではなく、「今日」生きるための「糧」なのです。本当の幸せとは、生活に愛があるかどうかなのかもしれません。愛があれば、他者をゆるすこともできるでしょうし、神様の赦しに、心から慰めを感じるでしょう。そして最後の「誘惑に遭わせないでください」は、神様から離れることなく生きること、それを心から祈ること、求めることが、この「主の祈り」の本質なのかもしれません。
イエス様は、「このように祈りなさい」と言われました。それは私たちへの配慮なのだと思います。神様は、私たちにとって何が一番良いことなのかをご存知なのです。そんな神様に、私たちはどれほど信頼しているでしょうか。今日は、「主の祈り」を深く味わうことができますように。
